人によって薄毛の基準は異なりますが、一般的にはおでこが広くなってきた、地肌が透けてみえる、抜け毛の量が増えてきた等がきっかけでハゲてきたと実感する事が多いように見受けられます。
ただ人より髪が薄いと悩んでいても、実は生まれつき髪の毛の細かったり量が少なかったり、またはおでこが広いケースもあります。
逆にまだそれほど目立っていなくても、太くて立派だった髪の毛がどんどん抜け落ち、髪の毛自体も細くなって、着実に薄毛が進行している事もあるのです。
ちなみに自分が本当にハゲてきたのかチェックする方法ですが、抜け毛の毛根の状態で判断します。
正常な毛根の場合は根元がふっくらと丸みを帯びていますが、薄毛が進行していると毛根も髪と同じ太さであったり、逆に細くなっている事もあります。
ハゲの原因とは?
男性がハゲる原因は、AGA(男性型脱毛)と不規則な生活習慣、頭皮環境の悪化の3つに分かれます。
まず圧倒的に多いのがAGAで薄毛に悩む男性の9割に該当します。
AGAは髪の毛の成長を強制的にストップさせて毛が抜けるように働きかけるDHTという男性ホルモンと遺伝が大きく関わっており、いわゆる「髪の毛が抜ける病気」になるので通常の育毛剤程度では改善出来ず、特殊な治療を行う必要があります。
進行が早くて年月が経過すると治せなくなるため他の薄毛原因に比べても厄介です。
反対に不規則な生活習慣や頭皮環境が悪化している事が原因であれば、それを正す事で改善出来る余地はあります。
ただこれらもAGAの進行に影響を与えるため、軽視する事はNGです。
ハゲてきたらやるべき対策10選
もしハゲてきたという実感があるならば、何もせずに放置する訳にはいきません。
放置しても元の状態に戻る事はなく、特に男性の場合は薄毛の進行も早く、あっという間に髪の毛がツルツルの状態にまで進んでしまう事もあるからです。
そこで行う対策法として、まずは食生活の改善・お酒やタバコを控える・睡眠の質を高める・ストレス発散をする・頭皮マッサージをする・シャンプーを変える・脱毛予防が目的の育毛剤を使用する・発毛剤を使う・適度な運動をしていく等、自分で手軽に始められる方法があります。
もしこれらの対策をとっても改善されない場合は専門的な治療が必要なAGAである可能性が高いので、速やかに皮膚科・クリニックで受診するようにします。
ハゲてきたらやるべき対策
①食生活の改善
健康な髪の毛と頭皮を保つためにはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が必要で、これらが不足すると抜け毛が増えたり、頭皮の状態が悪化してしまう事もあるので普段の食事はとても大事です。
具体的に髪や頭皮に良いとされている食材は、髪の元となるタンパク質やDHTの分泌を抑制させるイソフラボンが豊富な納豆、髪の主成分であるケラチンを生成するのに必要不可欠な亜鉛を含む牡蠣、頭皮の健康を保つビタミンAや頭皮の新陳代謝を促すビタミンB2などが豊富な緑黄色野菜などで、普段から積極的に取り入れたいものです。
何でもバランス良く食べる事が大切で、糖分の多い食べ物や高カロリーな食事、無理なダイエットによる栄養不足はハゲを進行させる恐れがあるので注意が必要です。
②お酒やタバコを控える
タバコやお酒といった嗜好品は控えるようにします。
特にタバコは昔から「百害あって一利なし」と言われるほど、髪の毛にだけではなく身体にも悪い影響を及ぼします。
ちなみにタバコが髪や頭皮に悪影響を及ぼすとされるのは血行不良を引き起こすためです。髪の毛は頭皮を通る血流から栄養を貰って成長するため、血行が悪くなると満足に成長出来なくなるという訳です。
お酒に関しては適量であれば問題なく、むしろリラックス効果も期待出来ます。
しかし多量にお酒を飲むとアセトアルデヒドの分解が間に合わず血中を循環した結果、成長ホルモンの分泌に影響を及ぼしたり、DHTを増加させてしまう事もあります。
完全に断酒する必要もありませんが、たしなむ程度に控えておいた方が安心です。
③睡眠の質を高める
髪の毛の成長には成長ホルモンの働きが重要です。
そして成長ホルモンの分泌は副交感神経の働きが関係していますが、副交感神経は夜10時~深夜2時の時間帯に最も活発に機能します。
この時間帯は髪のゴールデンタイムとも呼ばれ、一番髪の毛の生えやすい時間帯とされています。
この4時間はきっちりと睡眠を確保できるのが理想ですが、なかなか仕事をしている大人が夜の10時から就寝するのは不可能に近いです。
なるべく早めに眠りにつけるよう意識し、同時に質の良い睡眠をとる事も大事です。
質の良い睡眠とは朝までぐっすりと眠る事で、睡眠前にスマートフォンやパソコンをしたり、コーヒーを飲んだりすると睡眠の質の低下に繋がってしまいます。
④ストレス発散をする
ストレスは心身ともに悪影響を与えますが、髪や頭皮も例外ではありません。
ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れるため、まず血管の収縮や内臓機能が低下し、育毛に役立つ成分の吸収率が低下してしまいます。
加えてストレスを感じた時は副腎ホルモンが分泌されるのですが、この過程において身体の中に活性酸素が多く発生し、毛母細胞の働きも弱くなってしまうのです。
現代社会は誰もが何かしらのストレスを感じているものです。
疲れが溜まってきたと感じた時には、好きなスポーツや趣味を通じてこまめに発散するようにし、溜め込まないようにする事が重要です。
また抜け毛などがストレスを増長させる事もあるので、必要以上にクヨクヨと悩まないようにする事も大切です。
⑤頭皮マッサージをする
頭皮マッサージとは頭皮を揉みほぐす事で血行が良くなり、抜け毛の予防や発毛促進などの効果が期待出来ます。
とても気持ち良くリフレッシュにもなりますが、間違った方法では効果も半減してしまいます。
頭皮マッサージの正しい方法ですが、強く押さない事と擦らない事がポイントで過度な刺激を与えないように細心の注意を払わなければいけません。
マッサージには両手の人差し指と中指、薬指の6本を使うようにし、小指は角度的に頭皮に爪が当たりやすいため、なるべく使わないようにします。
1日に2~3分程度のマッサージで十分ですが、毎日続ける事がポイントです。すぐに効果は現れませんが、毎日続ける事で硬く薄くなった頭皮も柔らかく、髪が生えやすい環境に整えられます。
⑥シャンプーを変える
普段使っているシャンプーを見直してみるのも一つの方法です。
一般的に用いられているのが高級アルコール系シャンプーで、これは洗浄力も強いのですが、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまいます。
またシリコン入りは泡立ちが良く指通りが良い反面、シリコンが頭皮を詰まらせる原因となります。
こういった事からハゲ対策に有効なシャンプーとは髪や頭皮と同じ弱酸性のアミノ酸系洗浄成分が使われている事、そしてノンシリコンであるシャンプーを選ぶようにします。
高級アルコール系シャンプーに比べると少し高くなりますが、健やかな頭皮環境を保つにはそれ相応の値段と言えます。
男性の薄毛に特化したシャンプーも数多く販売されており、毎日続ける事でゆっくりと改善させていく事が出来ます。
⑦脱毛予防が目的の育毛剤を使用する
ハゲ=育毛剤というイメージがあるほど、薄毛改善のために育毛剤は多く活用されています。
既に髪が薄くなった人が使う印象も強いですが、実は育毛剤は今ある毛を丈夫に育てて、抜け毛を予防する効果が期待出来るものです。
つまり、抜け毛が増えたり髪のボリュームが少なくなってきたと感じ始めたタイミングで使うのが有効で、早めに開始する事で薄毛の進行を緩める事が出来るのです。
育毛剤の上手なつけ方は、塗布した後に成分を浸透させるために数分放置した後、手や指で頭皮のツボを刺激したり、血行を良くするためにマッサージします。
あくまで育毛が期待出来るものなので、育毛剤をつけたからといって髪が新たに生えてくるという訳ではありません。
⑧発毛剤を使う
発毛剤は育毛剤にはない発毛効果が認められています。
髪そのものを増やしたいと考えるなら手っ取り早い方法になります。
ただ育毛剤がドラッグストアや薬局、通販で気軽に購入できるのに対し、発毛剤は医師や薬剤師から処方の許可がないと購入出来ません。
また育毛剤はほとんど副作用の心配がないですが、発毛剤となると配合されている成分も強いので、副作用の懸念もあります。
ちなみに発毛剤には塗るタイプと飲むタイプがあり、飲むタイプは発毛効果が強いと評価されていますが、内臓疾患などの副作用が起こりやすい傾向にあります。
持病がある方や他に服用している薬がある場合は注意が必要で、効果とリスクを天秤にかけて判断していかなければいけません。
⑨適度な運動をしていく
日々の生活の中で運動を取り入れる事も薄毛対策には大いに意味があります。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動は身体への負担が少なく、無理なくできる運動ですが、心肺機能を高めたり、血管の柔軟性をアップさせる事で血流改善効果が期待できます。
全身の血行が良くなると頭皮の毛細血管でも血液の流れが良くなり、必要な酸素や栄養素を頭皮に行きわたらせる事が出来るという訳です。
そしてAGAの原因物質であるDHTも運動をして発汗する事で、汗と一緒に体外へ排出されるとも言われています。
決して無理をする必要はなく、自分の続けられる範囲内で十分です。
適度に体を動かす事でストレスも発散され、それが髪や頭皮にも良い影響を与えてくれます。
⑩皮膚科・クリニックで受診する
いろいろと自分で取り組んでみても効果が現れなかったり、さらに症状が酷くなってしまうケースもあります。
その場合は自己判断せず、一度医師の診断を受けてみる事も大切です。
男性の場合はAGAクリニックが一般的で、まずは薄毛の原因がAGAによるものかを診断し、その結果をふまえて効果的な治療が行われます。
また皮膚科でもAGA治療を行っている所はあります。
AGAクリニックほど育毛治療を行うための設備が充実している訳ではありませんが、DHTの発生を防止するプロペシアなどを処方して治療していきます。
そして皮膚科の場合はAGAだけではなく、頭皮の炎症やニキビ、フケなど様々なトラブルにも対応出来るメリットがあります。
まとめ
基本的に男性のハゲの原因はAGAである事がほとんどなので、改善させるには専門的な治療を受ける必要があります。
しかし人によっては、悪しき生活習慣や頭皮環境の悪化で抜け毛が増えたり、髪がボリュームダウンしてしまった可能性もあるため、まずは自分で出来る範囲で対策をとっても良いかもしれません。
生活習慣を整える事やバランスの良い食事をとる事は体の調子を整える意味でも大切な事で、体の中から改善させるというのも意味があります。
また日頃のヘアケアについて見直し、頭皮に負担のないシャンプーを使ったり、育毛剤で頭皮環境を整える事が、健康な髪を育てる土台作りとなります。
そして自分でやるべき事を行っておけば、専門的な治療を受けた際にも効果が出やすくなるのです。