髪の毛の成長力が弱まり、薄毛や抜け毛が進行し、頭皮が見えるようになった状態になると、ハゲと呼ばれます。
髪の毛の成長は加齢とともに低下するため、薄毛や抜け毛といった症状も加齢とともに現れます。
ただし、必ずしもハゲの原因が加齢とは限りません。若いうちから髪の毛が薄くなってくることもあるからです。薄毛・抜け毛には様々な原因があり、その原因を取り除くことで改善されます。
特に若ハゲの場合、原因によっては、早めに取り除けば改善される可能性が高いです。そこでこの記事では、そもそもどのような状態を指すのか、若い人に多い原因、改善策など、早めに対処するうえで知っておきたい情報について説明していきます。
若ハゲとは?
そもそもハゲとは、髪の毛が生えていない状態すべてを指すわけではありません。
病気やケガ等、身体的な異常で髪の毛が生えなくなった状態は除きます。ストレス・ホルモンバランス・頭皮環境の悪化など、何らかの原因によって髪の毛の成長が弱まり、抜けやすくなった状態を指すのです。このうち、年齢を重ねていないにも関わらずハゲが進行している場合、特に「若ハゲ」と呼ばれます。
なぜならハゲの原因として多いのが、加齢だからです。年を重ねるごとに髪の毛の成長も弱まるので、薄毛や抜け毛が進行しやすいのです。逆にいうと、加齢以外の原因でハゲが進行している場合、他に原因があるということになります。
若ハゲはいつから?
具体的に何歳から何歳までの場合に若ハゲと呼ぶのか、明確な定義はされていませんが、一般的には40代が一つの区切りとされています。
40代以上のハゲの場合、加齢による原因も大きく、「壮年性脱毛症」と分類されます。一方30代以下の場合は、まだ身体的に若く、髪の毛の成長する力も残っているうちから脱毛が見られることから、「若年性脱毛症」と呼ばれます。
「若ハゲ」とはこの「若年性脱毛症」のことを指す場合が多いです。なお若年性脱毛症は、10代後半でも起きることがあります。つまり若ハゲとは、10代後半から30代までに見られる若ハゲを指すということなのです。早い人では15歳頃から症状が出ることもあります。
若ハゲの症状
ハゲは早期に発見し、しっかりとした対策を取れば、症状を改善させることも可能です。
髪の毛が再び成長するようになれば、薄毛・抜け毛は見られなくなるからです。
そのためにも大切なのが、初期症状を見逃さないことになります。
何らかの原因で成長しにくくなると、髪の毛の成長期間は短くなり、細く短くなります。髪の毛1本1本が細くなると、頭皮が透けて見えるよう。さらに髪の毛は、一定期間経過すると自然に抜けるようになります。
なお、男性の場合は頭頂部・前頭部・生え際から髪の毛が薄くなる傾向があります。一方女性の場合は、頭部全体の髪の毛が薄くなる傾向があるので、症状の違いに注意しましょう。
若ハゲの原因
30代以下にみられる若年性脱毛症の中でも、特に多いのがホルモンバランスの乱れが原因で生じる脱毛症です。
このタイプの脱毛症は、AGAとFAGAの2種類があります。
それではAGAとFAGAについて詳しく解説していきます。
AGAとは?
若ハゲの原因として多い男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンが乱れることで発症します。
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンには、髪の毛の成長を妨げる効果があります。ジヒドロテストステロンの影響を受けた髪の毛は、十分成長できません。弱く細い状態で成長が止まってしまうため、薄毛や抜け毛につながるのです。
なおジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種テストステロンと5α還元酵素が結びつくことで作られます。この酵素は頭頂部・前頭部・生え際に多く存在していることから、頭頂部・前頭部・生え際から症状が進行していきます。また毛根そのものは残っている状態なので、正しい対策さえとれば改善することも可能です。
若ハゲの原因で多いFAGAとは?
若ハゲの中でも、女性ホルモンの乱れることで発症するのが女性男性型脱毛症(FAGA)です。
女性ホルモンには、髪の毛の成長を助ける働きがあります。けれども、何らかの原因で女性ホルモンの分泌量が減少すると、髪の毛の成長を助けるものも少なくなります。成長を助けるものが少なくなれば、それだけ髪の毛の成長期間は短くなり、細く弱いものとなってしまいます。髪の毛の成長期間が短くなると、それだけ抜け毛の割合も増えるので、次第にハゲが進行するのです。
なお女性ホルモンが減少すると髪の毛全体に影響が及びます。そのため、FAGAの場合は頭部全体に薄毛・抜け毛が見られるようになります。またこのタイプの薄毛は出産直後など、女性ホルモンが急激に変化するタイミングでも見られます。
若ハゲのタイプ
①生え際から後退するM字型タイプ
AGAは男性ホルモンの一種によって起きる脱毛症です。その最大の特徴は特定の部分から薄毛・抜け毛が進行するということです。これは酵素の分布が関係しているのですが、その中でも特に額の生え際付近から症状が進行している場合はM字型タイプになります。
M字型タイプの場合、こめかみ部分の髪の毛から薄くなっていきます。生え際から始まり、次第に左右のこめかみ部分から頭頂部に向かって髪の毛が薄くなっていくため、徐々に生え際が後退していくように感じられます。
なおM字型の場合、初期の段階では中心部分の髪の毛には症状があまりみられません。そのため、上から見るとM字型に症状が進行しているように見えます。けれども症状が進行すると、中心部分も徐々に後退していくようになります。
②頭頂部が円形状に薄くなるO字型タイプ
AGAは男性に多い脱毛症で、酵素がどの部分に多く存在しているかで、大きく3タイプに分かれます。
その中でも特に、頭頂部から症状が進行している場合はO字型タイプと呼ばれます。O字型タイプの場合、頭頂部のつむじ部分から徐々に薄毛・抜け毛が目立つようになります。症状の進行とともに次第に円形状のハゲが大きくなっていくことから、O字型タイプと呼ばれています。
なお、このタイプは他のタイプに比べて変化に気づきにくいです。頭頂部は鏡などでは見にくく、症状の進行具合も円形状に見えるため、どの程度進行しているかが分かりにくいからです。発見が遅れると症状が進行、後頭部まで症状が広がる恐れもあります。
さらにM字型タイプも見られる場合は、前頭部もハゲになる恐れがあるので注意しなければなりません。
③前頭部から薄くなるU字型タイプ
他の2タイプよりも珍しいといわれているのが、U字型タイプです。このタイプはM字型と同様、額の生え際付近から徐々に頭頂部に向かって進行していきます。
ただしU字型タイプの場合、前頭部全体で症状が進行していきます。こめかみ部分だけでなく、額の中心部分の髪の毛の成長が弱まり、薄毛・抜け毛が目立つようになります。M字型タイプの場合は中心部分だけが残るので、この症状の現れ方がM字型タイプとU字型タイプの大きな違いとなります。
U字型の場合、鏡でも確認しやすい部分なので、薄毛の進行を発見しやすいです。ただし、U字型タイプは他の場合に比べると症状の進行も早いので、症状の進行具合に注意しなければなりません。
④最終的にはどのタイプでも同じハゲに
男性ホルモンが原因で生じるAGAの場合、初期の段階では特定の部分でのみ薄毛や抜け毛といった症状が目立つという特徴があります。
例えばM字型やU字型は、前頭部から徐々に生え際が後退していきます。一方O字型の場合は、頭頂部のつむじ部分から円形状にハゲが進行していきます。初期の段階ではこのどちらかで症状が目立つのですが、症状が進行してくるとやがて前頭部・生え際と頭頂部、どちらでも症状が目立つようになります。前頭部の生え際は徐々に後退、頭頂部に近づきます。
さらに頭頂部に生じた円形状のハゲは次第に大きくなり、後頭部から前頭部まで広がります。すると薄毛の症状が目立つ部分同士がつながり、最終的にはどのタイプでも同じようなハゲになっていくのです。
若ハゲの対策方法
若いころから薄毛や抜け毛が進行すると若ハゲは起こります。
症状を少しでも改善するためにも大切なのが、早めの対処です。特にAGAやFAGAの場合、初期の段階では髪の毛は細くはなっているものの、毛根そのものはまだ残っています。そのため早めに対処すれば、改善される可能性もあるのです。
①育毛剤を使う
そして対処法のひとつとして挙げられるのが、育毛剤です。
育毛剤にはセンブリエキスやアミノ酸など、髪の毛の成長を助け、頭皮環境を整える成分が数多く含まれています。
また頭皮に直接つけることができるため、髪の毛と頭皮に直接有効成分を届けることができます。育毛剤を使うと髪の毛の成長を助けることができるので、症状の進行を抑えることもできるのです。なお、育毛剤は種類ごとに含まれている成分などが異なります。自分に合ったものを使うことが大切です。
②生活習慣を整える
AGAやFAGAなど、ホルモンバランスの乱れによって起きる脱毛症は、ホルモンバランスの乱れによって起きる場合があります。
特に若い人の場合は、身体の状態によってホルモンの分泌量が変わりやすいです。身体は日々成長し、ホルモンの分泌量も活発になります。ただし環境の変化による影響も大きく、偏った食生活・運動不足・睡眠不足・ストレスなどの影響を強く受けやすいです。
つまり生活習慣が乱れるとホルモンバランスも乱れ、AGAやFAGAを発症しやすくなるのです。逆にいうと、AGAやFAGAは、ホルモンバランスを整えることで原因を取り除くことができます。ホルモンバランスを整えるためには、生活習慣を整えることが重要です。睡眠はしっかりととり、食事はバランスよく食べるようにします。特に無理なダイエットは心身に負荷をかけるので、やめましょう。
若ハゲは予防できる
ハゲは年をとってからなるわけではありません。
若い頃から薄毛・脱毛が見られ、やがてハゲになる場合もあります。この時、大切なのが若ハゲを放置しないことです。ハゲは放置すると症状が進行、やがて髪の毛そのものが生えてこなくなってしまうからです。
特に若い人の場合、ホルモンバランスの異常によって生じるAGAやFAGAによって薄毛や抜け毛が見られることがあります。この場合、初期の段階ではまだ毛根が残っているため、正しく対応すれば改善することも可能です。
もしも薄毛・抜け毛が気になってきたら、生活習慣を整え、ホルモンバランスを整えましょう。また育毛剤で栄養を与えるのも有効です。